フラストレーション(欲求不満)は心の風邪引きといわれます。アンガーマネジメントを考える場合に、フラストレーションの取り扱いはキーポイントになるかも知れません。フラストレーションは物事の結果に対して生じる感覚だからです。

原則を言ってしまえば、思い通りになんて事は運ばないのが常識としましょう。思い通りにいくと思っていることが、そうならなければ大きなフラストレーションが生まれます。

家族なんだから、自分の状態を把握していてくれるはずだと考えているなら、毎日がフラストレーションの連続になります。これだけ準備したんだから、結果は上首尾だと考えているとフラストレーションを生じます。

このような連続から抜け出すために現在は欲求不満を感じていますか?といつでも自己チェックするのがよいようです。小さなフラストレーションなら、プチリフレッシュで解消できるはずだからですね。

ただストレスとフラストレーションの間には微妙なずれがあります。何かの結果に満足できない状態がフラストレーションです。また、障害を生じる、主に外部からの圧力をストレスといいます。

いつも通り家を出たのに、電車の運行が乱れて(ストレス)遅刻した(フラストレーション)という次第です。この二つが揃っていると、内的に怒りが生じているといって良いでしょう。駅の改札中は怒りに満ちた乗客が溢れているはずです。

フラストレーションの感覚は蓄積されます。このことが八つ当たりをしてしまう原因です。フラストレーションのはけ口は相手を選ばないのです。だからといって溜め込んでいると疲れやすくなります。

さらには睡眠障害を生じます。睡眠不足などに悩まされるようになると欲求不満を解消する作業は困難になっていき、問題に対処する力が低下します。そして物事に集中できなくなります。新たなフラストレーションにつながります。

処理しないとフラストレーションはこのように拡大します。欲求不満が蓄積されると、小さなストレスで許容量を超えて怒りを生じます。フラストレーションへの対処が上手くないと、結果として怒りっぽい人間ができあがります。

さてストレス状況から逃れることができないとフラストレーションを生じます。必要な情報を得られないと大きなストレスを感じます。電車の運転が停止している理由がわからないとストレスを感じます。また事態が変化するまでの時間が分からないとストレスを生じます。

ストレス状態では事が思い通り進みません。ということは、ストレスを受ける状況をあらかじめ知っておくとフラストレーションを回避できます。

例えば逆立ちをしてビールを飲み下せないのは、身体の構造がそのようになっているからです。逆立ちというストレス状況で、飲み下せないのは当然です。ビールを飲み下せないことでフラストレーションを生じません。

一般的にストレス状況では、フラストレーションを生じやすいです。ストレッサーを意識することで、フラストレーションを回避しやすくなります。怒りを生じる前に、怒りに対処しておくのが上策です。

ストレスを作るストレッサーにはいくつかの種類が提案されていて、次のような種類があります。気温、騒音などの刺激を物理的ストレッサーと呼びます。酸素や栄養状態などの要件は化学的ストレッサーです。病気や怪我などの状態は生物学的ストレッサーになります。そして人間関係のトラブル、緊張、恨みは精神的ストレッサーです。

ストレス状況に気づかないと、フラストレーションを簡単に溜め込みます。欲求不満で一杯な状態だと、簡単な刺激で怒りを生じます。ストレスを把握して、フラストレーション対策するのが大切です。